いつか、ずっと 昔 江國香織(文) 荒井良二(絵)

絵本

こんにちは、曇天です

僕が住む北海道では、雪が降りました。それも大量の雪です

車の雪下ろし、家の周りの除雪など、少し早めに動き出せるように日々過ごさねばなりませんね

僕は冬を苦手としていますが、その一番の理由が「除雪=雪かき」です

連日だと筋肉痛と疲労と眠気が押し寄せてきます

準備運動してから取り組むと体にはより良いと思いますので、皆様ぜひやってみてください

さて、当ブログでは、小説や絵本、その他詩やイラストの本、果てはトーク本までもを取り上げています

今後の世界を担う子どもに紹介したい本の紹介を中心にしていますが、大人向けの絵本も取り上げるなど、老若男女問わず楽しめるようにしていきたいと思っています

僕自身ネタバレは避けたいタイプであるため、極力ネタバレはしないように十分気をつけてそれぞれの本を紹介していきます

そのため、わりと薄味の内容になることもありますが、楽しい記事をお届けできるよう努力します

それでは今回の本「いつか、ずっと 昔」を紹介したいと思います

「今」を生きる

本作は、著者が江國香織さんだと思って手に取った作品である

どうやら絵本らしいということで

江國香織さんがどのように描き出すのかという期待を胸に読み始めた

描かれていたのは、「今」を大切に生きる恋人達の物語であった

本作の主人公を、「人間」と表現するのが正しいのかがわからないため

本作に合わせるとするならば「私」とすると良いかもしれない

「私」が恋人と夜桜を見に来たとき

桜が咲き乱れていた、夜空に舞い散る花びらの中で、突如現れる、かつての恋人たち

いつの時代にも、その時の「幸せ」があったのを、「私」は思い出した

思考は深みを増し、やがてそれが「今」となっていく

「今」との向き合い方

本作では、「忘れてしまった側」と「忘れられなかった側」について語られていた

主人公は「今」を生きる「私」

しかし、かつての恋人たちは「過去」に生きるものたちであった

「私」は、過去の「幸せ」について、何も覚えていなかった

生と死の狭間で、「過去」の記憶は消えていたのだ

しかし、確かにそこに「幸せ」は存在していた

それを、「私」は、かつての恋人達に触れることで、思い出していく

かつての恋人達の破滅

「かつての恋人達」は、その「幸せ」にすがりつき、自身を破滅に陥れていた

「私」と離れてしまったことは確かに辛いことであっただろう

その離れ方にもよるのは、百歩譲って、理解できなくもない

だが、そこに「執着」するあまり、絶望、迷いなどがあるのが良くないのだ

それらは、より良い未来を閉ざしてしまう

「過去」はどうしたって変わらないのだ

そこに生きる希望を見い出すことが必要となってくる

「死」によって道を閉ざされた「私」

一方「私」は、「死」によって道を閉ざされてしまったのだが

物理的に「過去」との決別ができたことで、その都度「今」を生きることが可能であった

ここで重要なのは、視点を「過去」ではなく、「今」に向けるということである

「未来」に向けるものではないのか?という意見はあるだろうが

理想の未来は黙っていて訪れるものではなく、引き寄せることが必要である

「今」の連続により「未来」を作れるわけで

「今」を生きることが「未来」に繋がる

「今」を生きることは「未来」を生きることと同義なのである

過去を変えることはできないし、変えようとも思わない
人生で変えることができるのは、自分と未来だけだ
by 野口 英世

1つの扉が閉まれば、別の扉が開くものだ
しかし、人は閉まってしまった扉を長い間、未練たっぷりに見つめてしまい
自分のために開かれた扉に気づかない
by アレクサンダー・グラハム・ベル

この世にはいろいろな不幸がある
しかしその不幸からよい状況を生み出すものは
素晴らしい人である
与えられた運命を自分の努力で変えるということは
人間にとって大切なことである
by 武者小路実篤

辛い過去は誰にでもあるもの、でも執着はやめて、「今」を精一杯生きよう


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