盲目的な恋と友情 辻村美月

小説

その恋、その友情、依存かも。

帯に書かれた言葉である

装幀の担当は鈴木久美さん

装画はヒグチユウコさん

今回は辻村作品を読もうと思い、装幀を見て即決した

女の子・猫・ヴァイオリンが描かれた繊細なタッチのイラストと

上記の帯の言葉である

恋愛ものもたまに読むのはいいかなと思ったのは束の間

まず、「純愛」ではなかったなぁ

どちらかというと「偏愛」かな?

歪な感じではないんだけど、真っ直ぐすぎて「偏愛」という進化を遂げている

それがやはり、帯にある通り「依存」という表現になるのだろう

後半に進むにつれて、その形はその偏愛っぷりを濃厚なものにしていく

あそこまでいくと、友情も恋となんら変わらないものだなと感じた

ドロドロの昼ドラがお好みの方は、きっと楽しめる作品であるだろう

しかし、世界観や本作の本自体の雰囲気はどこか洗練されていて

美しさは際立っているのである、そして僕は装丁を見て購入したわけである

恐るべきドロドロの罠である

ブックデザイナー 鈴木久美

鈴木久美さんは、いまバリバリに活躍されているブックデザイナーであるようだ

レーエンデ国物語、四畳半タイムマシンブルース、52ヘルツのクジラたちなどを手がけている方である

最近、書店で鈴木さんのデザインした本をよく目にする

これまたどの作品も洗練され、秀逸すぎて、装幀買い待ったなしなのである

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