ZOO 1 乙一

小説

不気味な短編集

ジャンル分け不能と背表紙に書かれていた

たしかに、何ジャンルなのかわからない、ホラーのような、ミステリーのような

ゾワッとする話が多めだったと思う

僕が気に入った「SEVEN ROOMS」という話は

海外映画の「SAW」を思い起こさせるものだった

これは映画に向いてるなと思ったら、このZOOという本自体が映画化されている

しかも収録されている5篇、全て映画化されているとのことだ

琴線に触れた言葉

以下、「ひだまりの詩」の中の言葉である

感謝と恨みを同時に抱いているなんて、おかしいでしょうか。

でも、私は思うのです。きっと、みんなそうなのだと。

ずっと以前にいなくなった子たちも、親には同じ矛盾を抱えて生きていたのではないでしょうか。

愛と死を学びながら育ち、世界の陽だまりと暗い陰を行き来しながら生きていたのではないでしょうか

感謝」と「恨み」を同時に抱く

この言葉が突き刺さった

多くの方も、この言葉には共感できるのではないだろうか

子供は、親が決めたルールに従い、その中で成長するしかない

世の中でいう「正しい」道に導くような教育であったとしても

その枠内で成長する子どもにとっては、煩わしい事この上ないだろう

ここがまず1つ目の「恨み」であると思う

成長するにつれて、正しく導いてくれた親には感謝できることも増えてくる

ただし、その「正しい」という枠内での教育で、本当に「正しい」道に進めたのか

それは知ることができないのである

そのため、別の道もあったのではないかという不確定な要素が存在してしまう

それが2つ目の「恨み」を作りだすこともあるのではないだろうか

ここで大事なことがある

その貴重な「恨み」の感情を経験させてもらったのは

他でもない、親が生んでくれたからである

その経験をくれた親に「感謝」することがあっても良いのかもしれない

そのことが自身の人格形成、または人間関係において活きてくるのではないか

否、その経験を活かすことこそが多くの人間にとって必要なことなのだろう

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